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北朝鮮の飢えに思う(98/6/25) 最近のアエラでも取り上げられていたが、北朝鮮の飢餓は、いまだに相当深刻であるらしい。子どもたちが落ちた食べものを奪い合ったり、弱いものが飢え死にしていくのを読むと人間として、胸が痛む。 最近、北朝鮮の赤十字が、拉致疑惑について、存在しないという見解を表明したのに対して、橋本首相は食糧援助の凍結で答えるとのことだ。 日本人はいつの頃から、トップが憎ければ、そこの国の人間が、民間人を含めてどんな悲惨な死に方をしてもいいという国民性に変わったのだろうか? アメリカは、そういう考え方を明確にもっている。国際法を一切無視して、各地に無差別爆撃をしたし、広島長崎にも原爆を落とした。その延長がベトナム戦争のソンミ虐殺を含めての一般市民の虐殺事件なのだろう。 しかしながら、日本は戦争に負けて、アメリカの戦争は正しいやり方だと叩き込まれることになった。彼らは国際法に違反していたのに、戦争というのは、市民を無差別に殺していいものだという観念が日本人に定着してしまった。南京大虐殺の真偽のほどは、いまだに議論の的になっているが、死者のうち、どれだけが軍人で、どれだけが一般市民で、どれだけが便衣兵(市民のかっこうをしたゲリラ)かは不明と言う。しかし、広島長崎は一般市民が十万単位で殺されたのは明白な事実である。 トップがひどい国の一般市民は女子どもを含めて死んでいけばよいという発想は、この延長上のものだろう。金正日が憎いから、食糧援助を打ち切る。しかし肝心の金書記は、贅沢三昧を続け、子どもたちは毎日死んでいく。そして、外国の経済制裁のせいで民が飢えているということの宣伝の機会を与えることで、政権の延命をさらに容易にさせている。こんなに資本主義になると豊かになれるのかと思わせるほど、大量の食糧援助をしたほうが、政権の崩壊につながる可能性はまったく無視されている。日本には、倉庫の費用だけで困るほどの古米、古古米が余っているというのにである。また、飢えが人間を狂わせ、戦争を暴発させる可能性も考慮されていない。実際、韓国の経済破綻で、軍事予算が削減の方向にある今は北朝鮮としてはチャンスと思っている可能性があるのだ。その士気を弱めるためにも、大量の食料援助は有効だ。 ついでに、精神科医として言わせてもらうと、朝鮮半島の人たちの民族感情はまったく考慮されていない。日韓併合の際も、朝鮮の李朝は、むしろそれを歓迎し、日本の貴族になった。ある意味では、トップが悪いせいで併合されてしまった。最後まで抵抗するどころではなかったわけだ。しかし、朝鮮半島の人たちは、彼らを悪者と考えず、日本人を悪者と考えている。2、3十年もしないうちに、金政権が倒れ、朝鮮半島は統一されるだろう。その時に、金正日が悪いから、民は飢えたとは言われず、日本が人道的援助を一切しなかったからとかの地の教科書にかかれるかもしれない。しかし、事実であるから仕方が無い。背景をどう受け止めるかは、相手の解釈である。米を援助しないと言う事実に対して、日本が金正日に腹を立てていたという解釈をするか、朝鮮半島の人に差別的感情をもっているからだとするか、教科書を書く側の解釈なのだから。おそらく、現在のところは、飢えている国民に対して、日本は再三の、しかも赤十字を通しての援助の要請に一切応えようとしないひどい国だと教えていることだろう。植民地時代から反日感情が強いのだから、多くの国民はそれを信じているはずだ。この信念は、何十年も続くのは、朝鮮半島の人が「恨」の文化の人であるから、想像に難くない。 かくして、2、3十年先には、大事なマーケットとなり、また軍事的脅威になりえる隣の国に非常に強い反日感情(食い物の恨みは怖いのは忘れてはならない)を植え付けているわけだ。 拉致疑惑は、それでも許すわけにいかないという人もいるだろう。一つ言っておきたいのは、これが本当にでっちあげという可能性が残っていることだ。証拠といえば、韓国に亡命した北朝鮮の人たちが言っているだけのことだ。アメリカその他の国に亡命した人は、そういう証言をしていない。飛行機を爆撃し、何百人も殺した女性が、北の命令でやったと告白すれば、赦免になって、ベストセラーの印税でリッチな生活を送れる国に亡命した人の証言なのである。日本語を教わるために拉致したということになっているが、朝鮮総連という日本語がペラペラのシンパがいるのに、何のために拉致しているのかもよくわからない。確かに北の兵士がやった可能性や日本における目撃があるのかもしれないが、国家的なものかどうかもわからない。たまたま日本海近海にきていた兵士がレイプ目的や、金品強奪目的で連れ去って、日本海に沈めている可能性もある。もちろん、それでも、北朝鮮に賠償責任は残るが、そんなことを正直に報告する兵士はいないだろうから、北朝鮮のトップが知らないというのは本当かもしれない。私は、北がやっていないと言いたいのではない。ただ、やっていない可能性を一切考えないと言う姿勢がおめでたいと言いたいのだ。二つの対立関係にある国があって、その一方からの情報しか信じないのであれば、冷静な外交はできるわけがない。イスラエルとアラブで、イスラエル側の情報しか信じないで外交をすれば、アラブ諸国の総スカンを食うのを覚悟しないといけないのと同じことだ。 そういうわけで、私は北朝鮮に食料援助をしないのは、人道的に納得ができないのと同時に日本の国益に反するものと考えている。 |
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