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北朝鮮のミサイル発射に思う(98/9/6)

 北朝鮮がテポドンというミサイルを発射し、日本の北朝鮮の世論が高まっている。私自身も北朝鮮が飢えで頭が変になってしまったのではないかと訝ったが、よくよく考えてみるとかなりしたたかな計算が隠れているように思えてならない。
 この発射のタイミングだが、金正日の国家主席就任に合わせてのものとみられているが、私はそうは思えない。
 これは、アメリカによるアフガニスタンとスーダンへのミサイル投下に対応してのものではないかというのが私の見解だ。
 スーダン、アフガニスタンを初めとするイスラム教国は、疑わしい人物が隠れているかもしれないという理由で、国の中にミサイルを打ち込まれて、しかも民間人の死者も出したことに対して国連で非難決議を出すように動議中だ。現実にアメリカはきちんと下調べもせずにミサイルを落としたらしく(下調べをする時間がなかったのは、ルインスキー問題の告白の翌日にミサイルを落としたがった人がいるためというのが定説になりつつあるが)、薬品工場であったことを知らなかったと一応告白している。
 一方、今回の北朝鮮のミサイル実験に対して、日本とアメリカで安保理に非難決議を提出する準備をしているというが、他の安保理事国の反応は悪いらしい。
 問題は、この非難決議が認められた場合の、スーダンに対する非難決議の扱いである。北朝鮮が言明しているように、ミサイルは大気圏外で日本領空を通過し、領海外でミサイルが落ちた。これで非難されたのなら、本当にミサイルを落とされ民間人が殺されたスーダンに対するアメリカの行動に非難決議を通さないわけないはいかなくなる。実際、今回のことで、日本は窮地に立たされるだろう。これまでの外交の流れから、アメリカ非難決議に対して日本は反対票を投じることになろう。せいぜい棄権がいいところだ。そんなことをやって北朝鮮には非難決議を通せというのなら、イスラム諸国の反感は必至だ。北朝鮮の問題以上に、インドネシアを含めて、イスラム国以外に石油を買えない立場にいることを忘れているとしか思えない。
 一方、イスラム人の敵の敵は味方、敵の味方は敵という発想でいくと、現在イスラムの敵アメリカの味方日本は反イスラム国の代表扱いを受けるだろう。逆に北朝鮮はアメリカや日本に喧嘩を売ってくれている国ということで、イスラム国が支援する可能性が出てくる。
 これまで歴史的に北朝鮮はどこかの国に依存して国を持たせてきた。東西対決の時代は、東側が守ってくれた。ソ連が崩壊しても彼らは中国がも守ってくれると信じていたのだろう。しかし、今年は中国も洪水で食糧援助の余裕はない。日本もいつまで立っても拉致疑惑にこだわり続けて(こんなもの常識で考えても彼らが認めるはずがないのは以前の「北朝鮮の飢えに思う」のエッセイに書いた通りだ)、食糧援助が期待薄だと悟ったのだろう。彼らがどこからお金をひくのか路線を変えた可能性が強い。つまり東西対決の流れにのってソ連を頼りにする立場から、アングロサクソンとイスラムの対決の流れにのって、イスラム諸国からの援助を期待するように変わったと見れば、今回のタイミングは絶妙なのである。現在イスラムの反米感情はきわめて強い。マレーシアの通貨鎖国もその流れで読むほうがわかりやすいはずだ。そしてイスラム最大の親米国サウジアラビアも国内のイスラム教との動静からアメリカ支持がしにくくなっているのだ。
 もちろん北朝鮮もただでイスラムからの援助を期待はできないとわかっている。だからミサイルは重要な輸出材だ。アメリカにミサイルを落とされて頭にきている今こそ本当に売り時のはずだ。
 東西対決から、アングロサクソン対イスラムへと対立の軸がかわったと読んだ北朝鮮と、その変化に気づかずいつまでもアメリカ迎合を続ける日本。
 確かに北朝鮮の現行の農業も含めたインフラのまずさがあるので、おいおいつぶれるとは私も思っているが、いずれにせよ外交センスのしたたかさは少しは見習ってもいいかもしれない。(そうは思っていたが、本日「人工衛星だった」というわけのわからない言い訳をするところを思うと、北朝鮮の外交センスもしれているのかもしれないが)
追記
 前回のエッセイで予言した通り、アメリカ株の暴落後、むしろ円が高くなっている。
 ここでアメリカ株が持ち直せば逆に日本の株は売られ続けるだろうが、このまま低迷傾向が続くと日本に資金が流入して日本株が上がるはずだ。ただし、銀行がデリバティブを化いすぎているので、それが不安要因になるが、いずれにせよ世界同時株安より、日本株の再評価のほうが可能性は大きい。エコノミストといわれる人たちと私の予想のどちらが当たるかはこうご期待と言いたい。
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