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国旗・国歌法案とインフォームド・コンセント

公明党が与党に参加して以来、ガイドライン法案や通信傍受法案など、かなり右寄りとされていた法案が次々と通過している。このままいくと国旗・国歌法案が通るのも時間の問題だろう。
多数決は民主主義の原則なので、こういう政党を選挙で勝たせているのだから、仕方がないと言えば仕方がないのであるが、一つ気になるのは、国民に嘘を教えて、法案を正当化している点である。
これはマスコミのだらしなさも問題だろう。
たとえば、今回政府が、盗聴法という呼び方はやめろというと、さっさと通信傍受法という風に呼び方を変えた。ただ、こえについては、おおよそどんな法律かを国民がわかっているので、凶悪犯罪の取り締まりのためには、盗聴も仕方がないという趣旨を国民が同意しているのなら、プライバシーより治安を優先するという選択もあっていい。
しかし、ガイドラインや国歌・国旗については、国民が勘違いをしているまま法案が通るように思えてならない。
医者の世界では、インフォームド・コンセントと言って、患者がたとえば、手術を受ける時、受けない時の危険性や、受けた際のメリットなどの説明を十分受けてから、その手技を受けるかどうかの同意をするのが原則だ。仮に手術死や薬の副作用で死んだとしても、その前の説明が十分であったかどうかが大きな意味を持つ。
たとえば、ガイドライン法案にしても、片方の国が戦争をすれば、もう片方の国がそれを支援するという2国間同盟は、世界中でも例外中の例外で、NATOのように集団安保のほうが一般的だという考え方は伝わってこない。リスクの分散の点でもそのほうが安全なのはいうまでもない。特にアメリカがアラブ世界から目の敵にされている現実を考えると、アメリカがイラクであれ、その他のアラブの国に対してであれ、戦争を仕掛けた時に、その支援の責任を負うのは危険過ぎる。テロの可能性ははるかに増すし、下手をすると短期間の石油の禁輸の可能性だってあるだろう。アメリカと違って石油のとれない国だという認識が欠しすぎる。
また、ガイドラインはアメリカではガイドラインといわずにワー・マニュアル(戦争マニュアル)と呼ばれていることも説明されていない。
これを国民が知って、法案の通過はOKというのなら、それでもよいだろう。しかし、知らされていないで同意したのなら、今回のガイドライン法案はインフォームド・コンセントとはほど遠いものということになる。
国旗・国歌法案も同じことが気になる。これに賛成という人のほとんどが昔から歌われてきた日本の唄なのだからと言う。でも本当に昔からなのだろうか?問題が多いとされている歌詞のほうは、それほど有名な和歌ではなかったようだが、古歌からとったのは確かだ。
それ以上に問題なのは、曲のほうだ。これは明治になってから作られたものである。しかもイギリスだか、ドイツの人に作ってもらったものだと言う(私自身、最近このことを読んだ。少なくとも私もこのことを知らされないで同意しようとしていたわけだ。少なくとも、これを政府が説明しないのなら、私にとってはインフォームド・コンセントとは言えない)。
明治以降に作られ、外国人が作った曲を、昔から歌われてきた「日本の歌」と言えるのだろうか?これをちゃんと説明してから、それでも言い歌だから国歌にしようというのならそれでいい。ただ、国民が勘違いしているのをいいことに国歌にしてしまおうというのなら、それこそインフォームドコンセントとは言えないだろう。
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